走行距離79.5㎞(電車含まず)。本日の費用、札所7,290円、ホテル5,830円、交通費490円、食費3,495円、その他400円、合計17,505円。
昨日思いついた悪知恵のとおり、今朝はことでんで移動する。なかなかレトロな電車で楽しい電車旅だった。終点長尾駅で下車し自転車を組み立てる。
6:00、片原町駅。
おーっ、扇風機が回っている。懐かしい~。
7:20、87番長尾寺を打つ。仁王門。鐘もぶら下がっている。
中央本堂。入母屋造り平入本瓦葺き、正面に大きな千鳥破風、その下に唐破風の向拝を構える重厚なお堂。千鳥破風の懸魚が輝いて見える。お本尊は聖観音菩薩。
向拝虹梁。すごく豪華な彫刻。上のほうでは帯が箒を持っている。
右側大師堂。宝形造り本瓦葺き。屋根に五重塔に着けるような大きな飾りが乗っている。なお中央は本堂、左は護摩堂。境内には樹齢800年という大楠もあった。
長尾寺の記念印、同行二人。35番に続き2回目の登場。
7:40長尾寺出発、県道3号線を南下する。勾配は手許のサイコンだが4~8%。地味にきつい。前山ダムを越えたあたりでお遍路サロンを発見。
8:15、お遍路サロンで一服。
サロン内にある四国のジオラマ。
自転車遍路大使の任命書をいただいた。まだ終わっていないのだが、フライングでもらった。第6号とあるが、毎年6月末でリセットするそうだ。7月5人としても年間60人しかいない計算になる。季節によっても違うだろうから、自転車遍路は年間100人~200人というところでないだろうか。少ないなあ。
このブログが、四国遍路文化を広める一助となればうれしい。
県道3号線からR377に左折し、さらに坂道を上る。交通量はそれほど多くないが、上るにつれ傾斜もきつくなる。中腹の四阿で一服する。
最後の2㎞は手許のサイコンだが勾配8~10%前後の急勾配だ。へろへろになりながら上る。9:30、88番大窪寺を打つ。ここは標高450m。
仁王門。札所最大級と思われる。どれだけ大きいかというと、門の前にお遍路さんが一人いるのでよくわかる。ちなみにこの人はタクシー遍路のようだ。合掌する佇まいが凛々しい。
二天門。門の向こうに本堂が見える。
本堂。入母屋造り平入銅板葺き。正面に大きな千鳥破風とその下に小さな唐破風の向拝が付く。ご本尊は薬師如来。本堂の裏手には多宝塔らしき屋根が見えるが、近寄れなかった。また背後には胎蔵ヶ峰が見える。
大師堂。宝形造り、本瓦葺きっぽいが、緑青色しているので本瓦に似せた銅板葺きかもしれない。
大窪寺の記念印、行行至圓寂。行き行きて修行を積み、円満寂静の境地へ到達する。出典:四国霊場会。羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶、ということかな。
大窪寺は結願寺だけあって、参拝する人が皆すっきりした顔をしている。ちょっと羨ましい。結願証を持っていた人がいたのでおめでとうございますと声をかけると、「自転車の人ですよね。下のほうで追い越したんだけどもう上ってきたんですね、速いですね~。」と返された。決して速くはないが、お世辞でもうれしい。
またさっきのタクシー遍路の女性は、運転手兼先達に結願おめでとうございますと言われていた。この先達は先ほどすれ違った時、先方からおはようござますと挨拶してきた。車を見たら黒のクラウンだった。
一方確か高知県内だと記憶しているが、同じようなタクシー遍路を見かけたので挨拶したら、客は返してきたが先達には無視された。なんか偉そうにしていて不愉快だったので、先達には挨拶するのをやめたという背景があったのだが、黒のクラウンは余裕が感じられた。先達ってこうでなくちゃね。実ほど頭を垂れる稲穂かな。
さて、ここで外国人の歩き遍路に再会した。前にあったのは85番八栗寺だった。菩提樹の木の下にあるベンチに腰かけていた。話しかけてみると向こうもボクを覚えていたようだ。ドイツ人の彼女に結願したのかどうか聞きそこなったのが、悔いが残るところだ。
10:20スタート、R377から県道2号線に乗り換えひたすら南下する。この区間はほぼ下りだが、今日も台風6号の影響か強烈な向かい風が吹き、下りでも漕がなきゃ進まないという苦戦だった。そしていつのまにか徳島県に入った。
しかも切幡寺手前でまた道に迷い、かなり遠回りして何とかたどり着いた。11:40、10番切幡寺を打つ。こちらは仁王門。
切幡寺は階段寺で、333段あるそうだ。ボクが階段を上っているとき、階段トレーニングしている4人組に出くわした。ここ走って上るなんてどういう心臓してるんだろ。
左本堂。入母屋造り平入銅板向き。正面に唐破風付きの向拝が張り出す。唐破風はこのくらいの大きさがボクは好きだなあ。ご本尊は千手観音菩薩。右奥は大師堂。入母屋造り平入本瓦葺き、小さな屋根に千鳥破風と唐破風をくっつけて騒がしい感じになっているのが残念。右手前は鐘楼。
大塔。国の重要文化財。歴史を感じさせる塔で、軒下の組物も圧巻だった。この大塔は麓からも見え、ランドマークになっている。
切幡寺の記念印、梵字。切幡寺の納経帳の本尊印は「本性清浄を悟り、諸々の執着を離れて涅槃を証得する」と解釈されます。出典:四国霊場会。
後編へ続く。