Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年8月2日(後編)=57-58-59-61-62-63-64番=

2023年8月2日(前編)=57-58-59-61-62-63-64番=から続く。

12:00、62番宝寿寺を打つ。正面の大屋根が本堂と思いきや外れた。ではこの大屋根はなんだったのか、結局わからなかった。旧本堂なのかな。

本堂。入母屋造り妻入り銅板葺き、と思いきや屋根の奥に何やら飾りが見える。現場では気が付かなかったがこれは何だ? ご本尊は十一面観音菩薩

手前大師堂。本堂と同じく入母屋造り妻入り銅板葺き、正面の屋根が延長して向拝になっている。と思いきやこちらも一筋縄ではいかなかった。

広角で写真を撮っていた。まず本堂は入母屋屋根の後ろに宝形屋根らしきものがくっついている。これは50番繁多寺と同じスタイルではないか。もしかして入母屋屋根の後ろに宝形屋根をくっつけるというスタイルは一般的なのか、謎が深まってしまった。でも妻入りの後ろに宝形屋根をくっつけるのは、棟の延長上にあるからかあまり不自然には感じない。

さらに大師堂はL字になっている。これも現場では気付かなかったが、L字のお堂なんてなかなかお目にかかれないと思う。調和のとれた妻入りコンビと思いきや、仰天のお堂2連発だった。ここは隠れた魅力が満載の札所だ。それにしても旧本堂(?)の前にプレハブ小屋の納経所が建っている。なにやら因縁を感じるなあ、このやり方。

線香立ての四阿。風鈴が涼しげ。

宝寿寺の記念印、天養降福。、天に応じて人を養えば(育てれば)、天から幸福(さいわい)が下される、という意。◆寺紋が亀甲紋ですので、縁起の良い亀をイメージして描きました◆ 出典:四国霊場会。

12:50、63番吉祥寺を打つ。
山門。門の手前には象の石像が置いてある。仁王像に変わるものだろうか。象の口が阿吽になっていたかは確認できなかった。

本堂。入母屋造り平入本瓦葺き。正面の屋根の一部が伸びて向拝になっている。シンプルだが威厳あるお堂。ご本尊は毘沙門天

毘沙門天は元々四天王の一つ北を守護する多聞天だったが、これがソロデビューして毘沙門天となった。東寺の兜跋毘沙門天立像が超有名。岩手の東和には欅の一本彫りとしては日本一の大きさの兜跋毘沙門天立像がある。ご本尊が毘沙門天の札所はここだけかもしれない。

大師堂。宝形造り本瓦葺き。向拝は本堂のスタイルと同じで調和が取れている。

伽藍配置。本堂の左わきに90度で大師堂が置かれている。さらに両者はL字型の渡り廊下で繋がっているようだ。

吉祥寺の記念印、同事是貴。菩薩、仏道修行者は常に謙虚に、相手に対して心がけを忘れず、常に相手と同じ立場に立つことが一番貴いことである。出典:四国霊場会。

昼食にラーメンを摂る。お食事処みなたけさん、威勢の良いお兄さんがいる豚骨ラーメン美味しかった。

あまりの暑さに耐えかねて、前神寺の手前のコンビニに駆け込んだ。空調のきいているイートインスペースで冷たいものを食べたかったのだが、そこには先客がいて、中学生らしき子供が数人集まってなにやらゲームに興じている。

仕方なく外でガリガリ君を食べていたら地元のおじいさんに声を掛けられた。自転車で遍路してるとか、横峰寺は明日に回したとか、横峰寺は大変だよ自転車で上るの?凄いね~とか雑談したのだが、このおじいさんボクにジャイアントコーンをお接待してくれた。暑いけどがんばれよ~って。確かに暑いけどその暑さを忘れるくらい感動したのは言うまでもない。ガリガリ君を食べた直後だけどそんなことは関係なく、ありがたく頂戴した。

イートインに先客がいたときはがっかりしたが、もし先客がおらずイートインに入っていたらこのお接待はなかったかもしれない。人間万事塞翁が馬

前神寺の手前。なんと藤の花が咲いている。マジか。ボクは若いころから藤の花が大好きで、自転車も藤の花をイメージした紫に塗装したくらい。8月に藤の花なんて、これは驚き。ちなみに自転車の塗装はパウダーコーティングで、塗膜が厚く丈夫で深みがある光沢が特徴。かつVOCが出ないので環境にも優しい。この道中何度かフレームをぶつけてしまったが、傷一つつかなかった。

14:00、64番前神寺を打つ。山門。山門の先には広い駐車場があるがガラガラ。しかしこんなに広い駐車場があるということは、春秋のお遍路シーズンは満杯になることもあるのだろう。改めて空いている時期で良かったと思う。

本堂。入母屋造り平入銅板葺き、大きな千鳥破風とそれに一回り小さな唐破風が乗る。さらに唐破風の両側から回廊が伸びていて、凄く豪華なお堂。この角度から撮るとパースが効いて実に見事。ご本尊は阿弥陀如来

大師堂。宝形造りに唐破風の向拝が伸びる。屋根上の宝珠が豪華だし、唐破風の両側には鳳凰の飾りがつく。画像ではよくわからないが、唐破風の棟は手前に傾斜している。

前神寺の記念印、慈愛。慈愛…慈しみ 愛する 慈しむ心と 愛する心を もって接する。出典:四国霊場会。

今日はここまで。今日は7つの札所をまわったが、走行距離は約50㎞で楽と言えば楽な日だった。特に61~63番は区間距離が2㎞もなく、かつ同じ通り沿いなので道に迷うこともなく、極めて順調だった。

体力のうち50%は酷暑で持っていかれた感じ。残り50%のうち、30%は仙遊寺の上りだった。徳島の恩山寺、高知の大日寺禅師峰寺清滝寺、愛媛の仙遊寺は平地から突如始まる激坂に気持ちがついていかなくなる。が、これも自転車遍路の醍醐味だろう。

今夜の宿は、伊予西条駅前のホテル玉の家西条さん、部屋に自転車を入れることを許可してくれてありがとう。明日はいよいよラスボス60番横峰寺にアタックする。

8月2日終了。