Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年8月6日(後編)=80-81-82-83-84-85番=

2023年8月6日(前編)=80-81-82-83-84-85番=から続く。

根香寺を打って国分寺に移動中。途中のスーパーの駐車場でおばあさんに千円お接待していただいた感動も冷めやらぬまま、10:10、80番国分寺を打つ。
山門。大変大きな八脚門で、手前には大きな石灯篭が2脚ある。また門を横切るように伸びた松が雰囲気たっぷりだ。

参道。奥に本堂が見える。石畳の参道の脇には松並木。松の背面には八十八カ所のご本尊の石像が両側にずら~っと並んでいて壮観。

本堂。入母屋造り平入本瓦葺き。大変大きく立派なお堂。ご本尊は十一面千手観音菩薩。

大師堂は写真なし。納経所の建物の中に大師堂の祭壇があり、その祭壇に向かって読経した後、くるりと振り返って納経するという仕組み。

写し霊場四国八十八カ所巡り。お大師様の像を筆頭に、1番からご本尊が並んでいて壮観。折り返して参道の反対側にもある。

国分寺の記念印、護國安民。国を護り、民が安らかに暮らせるようにと聖武天皇が願って国分寺は建立されました。その願いは弘法大師に引き継がれ、今も変わらず当山は護国安民の寺として国家の安泰と国民の幸福を祈り続けています。出典:四国霊場会。

これにて四国4県の国分寺コンプリート。

80→83番はほぼ東に約8㎞。炎天下のもと酷暑に耐えながら走る。さらに台風6号の影響か南東の風が強く、前に進まない。平地なのに坂道を上っているかのようだ。これは拷問に近い。
11:20、83番一宮寺を打つ。ここで初めて駐車場に大型バスが停まっているのを見た。これから始まるのかもう終わったのか、と警戒したがもう終わったようだ。ほっ。こちらは裏門みたい。またやっちゃった。

こちらは仁王門。

本堂。入母屋造り平入本瓦葺き。正面屋根の一部が伸びて向拝になっている。ご本尊は聖観音菩薩。

手前本堂、奥大師堂。大師堂も入母屋造り平入本瓦葺き。ただし大師堂は向拝が唐破風になっている。

一宮寺の記念印、増蒼生福。「早く郷国に帰りて以て国家に奉り、天下に流布して蒼生の福を増せ」師匠の恵果阿闍梨より密教の全てを授かった時にいただいたお言葉。蒼生とは多くの人々のこと。出典:四国霊場会。

次の屋島寺までは区間距離17㎞、高松市の中心を突っ切って進むが、市街地はヒートアイランド現象で暑さがさらに過酷だ。しかし北に向かうので今度は追い風。うっ、何だあのテーブルトップの山は。あれが屋島か?もしかしてアレに上るのか?

やっぱり上るのか… あの岩山見上げるようだ。坂は壁みたいに見える

有名なミステリーゾーンだが、ただの上り坂にしか見えない

屋島スカイウエイは5年ほど前に無料化され、それ以降自転車も上れるようになったそうだ。しかしこれも激坂で、登り始めなんて勾配10-15%だ。しかも炎天下なので、サウナの中で自転車を漕いでいるかのようだ。

途中源平屋島古戦場の展望台付近で、停まっていた車からお姉さんがガンバレ~って応援してくれた。う、うれしい…  結局約4㎞を40分かかった。
14:15、84番屋島寺を打つ。こちらは東大門。

本堂。入母屋造り平入本瓦葺き。幅の広い向拝が屋根から連続する形で伸びている。柱は朱塗りだが、色褪せが長い年月を感じさせる。向拝虹梁の彫刻がすごく凝っている。ご本尊は十一面千手観音菩薩。

大師堂は撮り忘れてしまった。日陰が無く焼けるような日差しを浴びながら読経したのを覚えている。
右奥は本堂、左は宝物館。しかし何だこの妙ちくりんな屋根は。

本堂脇にある蓑山大明神。狸さんの由来はわからない。

四天門から本堂を臨む。

屋島寺の記念印、洗心。おへんろを廻ることで心が洗われる。出典:四国霊場会。

駐車場の近くの展望台。さっきのテーブルトップと同じくらいの高さにいる。やっぱり上ったんだ… それにしても瀬戸内海はきれいだ。屋島寺から歩いて水族館の先に絶景の展望台があるらしいが、そこまで行く元気がない。そこはスキップして下山することにする。

次の八栗寺にはケーブルカーで上る。ワクワク。でもケーブルカーの山麓駅までの上りも結構な急勾配だった。もう疲労と暑さでグロッキー状態。

もちろん自転車も一緒。

上昇中。さっきまでいた屋島が正面に見える。

ケーブルカーを下車してまもなく八栗寺着。あれっ鳥居?

15:30、85番八栗寺を打つ。
本堂。入母屋造り平入銅板葺き。向拝として控えめな唐破風が乗る。そして唐破風の棟は手前に傾斜している。堂々とした立派なお堂。ご本尊は聖観音菩薩。

大師堂。宝形造りにしては大きなお堂。屋根瓦の飾りがおしゃれ。獅子が逆立ちしている。

聖天堂。入母屋造り平入に棟より大きい千鳥破風に唐破風の2段構えの檜皮葺。お聖天さまって、要するにガネーシャのことか?

参道。朱塗りの多宝塔が映える。

本堂と聖天堂。背景の五剣山を含め大迫力。聖天堂の千鳥破風は棟より高く棟をまたいでいるように見える。こりゃ珍しい。それにしても唐破風の棟はマントヒヒの鼻筋に見えるのはボクだけか。

八栗寺の記念印、禅黙為心。禅黙を心と為す、座禅瞑想に励むというほどの意味です。出典:四国霊場会。

境内にある菩提樹の木。ここのベンチで一服する。気持ちいい。

下山はケーブルカーではなく裏山を下りる。え~、にじゅういちパーセント!?こんな標識初めて見た。ボクの手元の勾配計は誤差があると思うが、この標識は間違いない。

五剣山を下り、約30分で宿に着いた。今夜の宿はいしや旅館さん。場所は86番札所の目と鼻の先。この建物は国の登録有形文化財

廊下もお庭もすごく素敵だ。

今日も厳しい暑さだった。特に午後の屋島寺は体中の水分が汗になって流れ出たかと思うほど汗だくになって上った。移動で疲弊すると札所を余裕をもって参拝できず見落としが発生するのが勿体ない。

さて、明日は台風6号が四国を直撃する予報なので、一旦高松まで戻って高松の安宿に避難する。

今朝お接待でいただいた千円。もったいなくて使えない…

おまけ。一宮寺で買ったお守り。みっけまもりという一風変わったお守りでデザインは画像の他麻の葉模様と夏限定のきゅうりの3種類。香川産ヒノキの一枚板で真ん中に穴が開いている。お守りっぽくなくて良い感じ。身内の女性陣にプレゼント。ちなみにこれはカミさんから借りて写したもの。

なお本日の移動距離84㎞にはケーブルカーも含まれる。前編冒頭の標高履歴を見ると、屋島寺の上りが八栗寺のケーブルカーと匹敵していて興味深い。

8月6日終了。