Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年8月5日(後編)=71-72-73-74-75-76-77-78-79番=

2023年8月5日(前編)=71-72-73-74-75-76-77-78-79番=から続く。

善通寺を打ち終わり、金倉寺へ移動中。

先ほどの歩き遍路の奥様の話を聞いてから、無性にうどんが食べたくて仕方がない。というわけで、酷暑の中善通寺市市街地をさまよい、やっと見つけたうどん屋で昼食。

次の金倉寺までも区間距離約3㎞、かつ平坦な市街地で問題なし。12:00、76番金倉寺を打つ。また裏側からアプローチしてしまった。

仁王門。こちらの仁王像も白い。

本堂。入母屋造り平入本瓦葺き。屋根と向拝が連続しているすっきりした外観。

向拝の天井から数珠スタイルのマニ車がぶら下がっていたので、一周回してみた。

大師堂。入母屋造り平入本瓦葺き。

境内にあった巨大な楠。

金倉寺の記念印、知自心。最も大事な教えは如実に自分自身の心を知る事が大事であると記されています。出典:四国霊場会。

この時間帯炎天下は厳しい。頭が冴えなくなってきたので、通り沿いのスーパーに入ってイートインスペースで一服する。13:20、77番道隆寺を打つ。
仁王門。

本堂。入母屋造り平入波瓦葺き。向拝はないようだが、これほど軒が大きければ向拝は不要だろう。現場では気付かなかったが、参道の両サイドを観音様と思われる小さな石像が固めている。それにしても雨樋が妙に現代的。

大師堂。宝形造り本瓦葺き。屋根の一部が伸びて向拝となっている。

道隆寺の記念印、実修実証。修行を通して自らの心と体で学んだことを「実修」また学んで得たことを人々のために活かして行くことを「実証」とし、この二つの修行を「実修実証」という。出典:四国霊場会。

裏口。それにしても観音様がたくさんいる札所だ。

ここでまたやらかした。自転車を止めたところにポンチョを置き忘れてきた。帰る時忘れないようにしないと、と思っていたがやっぱりやっちゃった。1㎞くらい走ったところで気づき、戻ったらあった。良かった~。台風6号が接近している状況でポンチョを失ったら大ダメージだった。

寄り道、丸亀城。四国って意外と言ってはナンだがお城が多い。

14:50、78番郷照寺を打つ。
山門。厄除け根本霊場と書いてあるのだが、それより衝撃的なのは、シャッターがついていること。現代的だなあ。

本堂。寄棟造り平入本瓦葺き。棟には金色の鴟尾を頂く。下側の大屋根は大きすぎて1層の屋根なのか裳階なのかわからない。さらに正面にはで~んと唐破風が張り出す。しかも分厚い。これと似たようなのに仙遊寺があるが、いささかくどいというか、しつこいというか重厚すぎて食傷気味。

ちなみに、向拝の天井裏にはこのような飾りがはめ込まれていた。これはきれい。

大師堂。唐破風しか写っていなかった。なおボクは23番薬王寺ででやってきたが、ここでも階段1段ごとに賽銭を置いて厄払いするのだそうだ。

郷照寺の記念印、厄除衆生。「厄除衆生」とは、命あるすべてのものを救う「衆生済度」に厄災を除く「厄災消除」の意味を合わせ持った造語になります。出典:四国霊場会。

15:45、79番天皇寺を打つ。
山門というかはっきり言うと鳥居。しかも非常に珍しい三輪鳥居。奥に見えるのはお堂ではなく白峰宮。そして扁額には崇徳天皇とある。怖い。これは現場では気付かず、白峰宮に参拝もせず、崇徳天皇をスルーしてしまった。これはやばいかも。

鳥居の脇にはこのような立派な銘板というか表札というか、銘石がある。

向かって右、本堂。入母屋造り平入本瓦葺き。向拝は控えめ。ご本尊は十一面観音菩薩。左は大師堂。宝形造り本瓦葺き。天皇寺としては非常にコンパクトな境内。

天王寺の記念印、為道求道。「道のために道を求める」これは、弘法大師空海伝教大師最澄と交わした書簡により御自身が得られた、「求道とは何たるや」の答えです。出典:四国霊場会。

参拝を終えた時点で16時、今日はあと一つ行きたいところだったが、難しそうだ。今日も午後ガクンとペースが落ちている。しかも雲行きが怪しい。ということで今日はここまでにして宿に向かうことにする。今夜は城山温泉、この道中日和佐に続いて2回目の温泉だ。しかし、宿まであと一歩というところで土砂降りの雨にやられた。惜しかった~。

さて温泉に着くと、宿の人がすごく丁寧に対応してくれた。自転車を拭くのにタオルを貸してくれたり、自転車を玄関の内側に置くのを許可してくれたり、業務用の洗濯機を貸してくれり。また、温泉は瀬戸大橋が間近に見える絶好のロケーションで、最高だった。

湯上りに脱衣所で身体を拭いていたら、宿の人に(肌が)焼けてるねえと声を掛けられた。その通り脚は足首からももまで、腕は手首から上腕まで真っ黒で、その他は真っ白という白黒パンダという状態だったからだ。

そして自転車の話やお遍路の話、雨の少ない香川の話など色々会話を楽しんだ。雲辺寺を自転車で上ってきたと言ったら仰天していた。ボクは普段知り合いとも会話が少ないほうなのに、どうしてこんなに見ず知らずの人と会話ができるのか不思議だ。これが四国というものか。

しかし天皇寺は勉強不足だった。讃岐、天皇、のキーワードで気付くべきだった。今回はお遍路なのでお参りするのはお寺に限定し、神社には寄らないと決めていたのだが、これが裏目に出た。結局白峰宮は素通りしてきたので、いつかまた再訪しなければならない。

んっ、これはもしかして、既にお四国病に感染してる?

ともあれ8月5日終了。

おまけ。高速歩きお遍路ご夫婦からいただいた、はちみつ種なし梅干し。甘くてすっぱくて美味しかった。