Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月20日(前編)=20-21-21-23番=

本日の移動距離59.6㎞。本日の費用、札所3,760円、ホテル3,580円、食費2,818円、交通費1,300円、その他2,773円、合計14,231円。

6時ジャストに出発。昨夜泊まった民宿に、朝6時前は玄関を開けないと宣言された。この結果ボクが得意とする朝駆けを封じられてしまった。お遍路って朝早いんじゃないの???全く納得できないが、選んだのは自分だしな。ということで腹いせに朝食はキャンセルし、6時ジャストに出発したというわけ。

気を取り直してヒルクライム。車道5㎞方面へ進む。みかん直売所から突然激坂が始まった。軽トラが唸りをあげて登っていく。手許のサイコンで勾配10~15%が延々と続く。その距離約4㎞。こりゃ焼山寺よりきついぞ。さらに今日は約9㎏の荷物を積んでいるし。

ここは上りはじめまもなくの場所。早速写真撮影しているふりをして一服する。別に誰かに見られているわけでもないのに、こういう見栄っ張りは自転車乗りの習性だろうか。因みにこの写真木の生えている方向は垂直なので、わざと傾けて写真を撮っているわけではない。

参道が鶴のように(蛇にも見えるが)見える場所があったので、また写真撮影。しかし息切れしていたせいかピンボケしている。写真で見るとそんな急坂には見えないが、実際は絶望感を覚えるほどの激坂。

なお、急坂に見えないのは坂の勾配にあわせてカメラを上に向けて写しているからで、つまりカメラの光軸と斜面が平行になっているからで、これだと急坂に見えないのは当たり前、だと気が付いたのはだいぶあとになってからだった。相変わらず頭の動きが鈍い。

2㎞程上ったところの丁字路で右折する。ここは鶴峠というらしい。

カンパニョーロのコーラスにピントを合わせて背景をぼかしてみた。意図が良くわからない写真になったが、何しろ激坂であることは間違いない。

ここまでくるともう坂ではなく崖。実は今回は激坂対策としてフロントをワンバイの36Tにしている。リアは11段でローは34T。つまり減速比ほぼ1という貧脚仕様だ。それでも必死になって漕いでいる。

7:15、20番鶴林寺を打つ。4㎞を1時間15分要したが、一応全て漕いで登った。しかしこれじゃ歩いたほうが速かったかも(苦笑)。

杉の巨木に囲まれ、苔むした庭が続く静謐な境内。誰もいない。これだから早朝の参拝は止められない。

三重塔。この塔は21番太龍寺からも見えるそうだ。また屋根の組物が本格的で、彫刻もすごく凝っている。たぶん邪鬼だと思うが、マッスルマンが屋根を支えている。

本堂。たぶん銅板葺と思われるが、入母屋造りのシンプルなお堂。両脇に鶴の銅像があり本堂を守護している。軒下の彫刻も凝っていて見ごたえがある。

こちらは大師堂。本坊と棟続きのようだ。軒は大きな唐破風が張り出していて迫力十分。向拝柱の梁の彫刻も美しい。

左、苔むした階段。神秘的というよりホラーな感じが漂う。右、ご本尊降臨の杉。大きすぎでカメラに収まらない。

 

左、白衣に押してもらった鶴林寺御朱印。これ定番。右、鶴林寺の記念印、代受苦。(霊場会のサイトには説明文はなかった)

 

苦労して上ったので立ち去りがたい気分だが、先に進まなければならない。境内のベンチで今朝ヒルクライム前にコンビニで買ったおにぎりを食べてから移動するか。次の太龍寺にはロープウエイに乗る。鶴峠の丁字路を右に折れ、県道19号線を那賀川沿いに南下する。那賀川はこんな感じ、豊かな水量で水も透明で、のどかないい感じの道路。

那賀川は川上に向かって進んでいるのだが、道路はフラットかやや下りという不思議な道が続く。何しろ下りならいいや。

ロープウエイには自転車ごと乗せる。運賃は片道1300円で自転車は追加料金なし。駅舎の写真は撮り忘れた。これは箱に入ったときの写真。バッグ類は背負っている。

離陸、じゃなかった発車後まもなくの状態。ちょうど那賀川が湾曲しているところに駅があるようだ。なかなか眺めが良い。

こちらは反対側、手前には山頂駅、山の向こうには徳島湾が見える。景観が素晴らしい。

9:10、21番太龍寺を打つ。
下の画像はロープウエイ駅を降りてすぐ見える階段で、この階段を上ると直接本堂に出る。一方この画面から右方向の小道を進んでいくと仁王門にあたる。一旦仁王門を出て、そこから折り返して参拝する順序が正しい、とあとから思った。何しろこの時は階段をまっすぐ上って手水も鐘楼もすっ飛ばしていきなり本堂を参拝したわけだ。ご本尊は虚空蔵菩薩

こちらは本堂。入母屋造り平入、荘厳な造りで向拝虹梁の彫刻もすごく凝っている。

こちら本堂側面。礎石がコンクリートのように見えるのだが…

かなりピンボケだが、正面左は本堂、上の画像の反対側。右上には多宝塔に至る階段がある。この階段を上り多宝塔の前を通って大師堂へ向かう。

多宝塔の前を通って、大師堂に抜ける階段を降りる。大師堂は重厚な入母屋造りでちょっとみ本堂かと見まがうほど荘厳な造り。

大師堂の脇を抜けて裏手に回ると、そこには宝形造りの大師堂があった。

この時は神社の本殿拝殿みたいだと思ったのだが、後日高野山奥の院を参拝してこの配置が全く同じであることに気付く。なるほど、それで太龍寺は西の高野と呼ばれているわけだ。やっと意味が分かった。

改めて拝殿の方の大師堂。入母屋造り平入に千鳥破風と唐破風が2段に張り出す重厚な造り。さらに向拝虹梁の彫刻もすごく凝っている。

向拝を支える梁が湾曲していて、なんとも言えない美しさがある。

後編へ続く。