Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月25日=37番=

本日の走行距離91.7㎞。本日の費用、札所310円、ホテル3,700円、交通費3,370円、食費2,719円、その他200円、合計10,299円。

今朝もサウスブリーズホテルさんの朝食バイキングを堪能。毎日1500~2000kcalは消費するので、食べられるときはがっつり食べる。

今日は高知から窪川まで列車で移動し、37番を打った後は四万十川に沿って西側に大きく遠回りしながら南下し、四万十市まで進む予定。

7時過ぎホテルを発ち、40年前にKawasaki Z400GPで通ったときは気が付かなかったはりまや橋をチェックし、間もなく高知駅に着く。窪川行きの特急券を買ってゆっくり余裕をもって輪行し、ホームでしばらくぼーっとする。
高知駅はホームに木製のアーチ型の天井を張っていて、すごくかっこいい。

8:20列車に乗りデッキの片隅に自転車を置き、手すりにもやい結びで固定する。窪川まで約70分の列車旅。徳島入り後9日間連続で走っているのでこの休息は嬉しい。

実はこの区間列車にしたのは訳がある。高知から窪川までは札所がないということもあるが、この間に七子峠という山越えがありそこそこ体力を消耗すると見たからだ。そして窪川からは四万十川に沿って走る、つまり下流に向かって走る、ということはずーっと下りというわけで、はっきり言うと列車で上って自転車で下るという禁断の作戦を取るわけだ。具体的には七子峠は標高300m、窪川の標高220m、ゴール地点の四万十市は標高10m。

四万十川は最後の清流として名高い河川だが、実は流れの緩い川としても有名だそうで、従って約90㎞に渡って下りという他ではなかなか見られない状況が生まれた。実際は下りというよりフラットに近い感覚と思うが、計画段階から楽しみの一つだった。結果は冒頭の標高履歴のとおり。

ワクワクニヤニヤしながら座席に座っていると、昨日2度見かけた若き歩き遍路が同じ列車に乗ってくるのが見えた。しかし列車を降りるときプチトラブル発生。もやい結びを引き解けで結んでいたはずが、引いたら絡まって固く結ばれてしまった。やばい。爪では全く歯が立たないので自転車ロック用のキーの先端をこじ入れ、数分後なんとか解くことができた。こんなこともあろうかと到着10分前にはデッキに立って降りる準備を始めたので落ち着いて対処できたが、余裕かまして到着直前だったら焦ってパニックになっていたのは間違いない。それにしても引き解けで絡まるってどういう結び方してんだ?

窪川駅のホームでさっきの若き歩き遍路に再会し始めて会話をする。なんでもバスや列車を使いながら歩いているそうで、今の世の中合理的な姿だと感心した。種間寺では堂に入った読経を響かせていたので修行僧かと思いきや長髪で、なかなかミステリアスな彼だった。

窪川駅前で自転車を組み立て、9:50出発。

9:57、37番岩本寺を打つ。

本堂。入母屋造り銅板葺き(と思われる)の正面に千鳥破風が構える、向拝には唐破風のようなそうでないような平たい軒が張り出している珍しい構造。ご本尊は、不動明王聖観音菩薩、阿弥陀如来薬師如来地蔵菩薩と5人もいてちょっとオトクな感じ。もちろん5人全員の真言を唱えてきた。人(にん)という単位もどうかと思うがまあ良しとする。

この本堂は天井画も美しい。お堂の中なので禁撮影かもしれないが、とても綺麗なので撮らせてもらった。ちなみに右上のコワい顔は、東大寺戒壇堂の四天王像の一つ広目天がモチーフとみた(勝手解釈)。

大師堂。入母屋造りのコンパクトなお堂。一言でいうと可愛い。右手前の丸いのは聖天堂。聖天ということはガネーシャか? 

岩本寺の記念印、蒼生福。人々の幸福という意味。恵果から空海へ贈られた言葉。出典:四国霊場会。恵果とは唐の高僧で、空海が来たとき「お前が来るのを待っていた」と言った人。カッコいい! なお唐を指して中国の唐の時代という人がいるが、それは全くの誤解で唐と中華人民共和国は全くの別物である。中国は建国約70年の非常に若い国である。

本日の札所はこれでおしまい。これからはボーナスステージ四万十川サイクリングだ。

10:30スタート。事前に予想した通り、下りというよりフラットででもいつもよりスピードが乗っているなあ、と感じる程度の下りで、30~35㎞/Hで快適に走る。ちなみに今回は遍路転がし克服のため、フロント1×36Tに改造してきた。リアはトップ11Tだからケイデンス80rpmで33㎞/Hという亀さん仕様である。ボクにはちょうどよい。

11:00沈下橋に遭遇。ここは上宮の沈下橋。ちょうど軽トラが横断中。

四万十川はこんな具合でとてものどか。この辺りはまだ上流なので瀬もあるが、瀬と言っても急流ではなくさわさわと流れる感じ。

11:30道の駅四万十大正で休憩。しかし今日も酷暑で体力を消耗する。熊野神代橋から四万十川。瀞で風もないので、水面に雲が浮かんで見える。

田野々トンネル出口付近。このR381は川沿いのルートなのでトンネルはないだろうと思っていたが、意外にトンネルが多い。

第一三島沈下橋。鉄橋とのコントラストが面白い。

12:30頃、道の駅四万十とおわで昼食。13:10、中半家沈下橋

13:13、長生沈下橋。道の駅よって西土佐付近で道に迷い、あやうく宇和島に行きそうになる。酷暑で消耗し、注意力が散漫になってきた。

15:00、高瀬の沈下橋。だいぶ下流まできて川幅も広くなってきた。南風が強くなってきて、せっかくの下りも吹っ飛ばして逆に漕がなくては進まないほどで、後半は暑さと向かい風との戦いになった。この風のせいで沈下橋を自転車で渡るのは危険と判断し、この高瀬の沈下橋は中央付近まで歩いて渡ってみた。流石に橋上は涼しい風が吹き強い日差しの下でも快適に感じられた。

16時頃宿着。今夜から民宿鈴さんに3連泊する。明日は38番金剛福寺を打ち戻りし、明後日はこの旅初めての完全OFFとする。ここで大トラブル。自転車ロックの鍵を紛失してしまった。

鍵は2組持ってきていて、紛失したのは予備の1組だったが、まだ旅の前半で鍵を紛失するのはさすがに痛い。普段入れてるポケットにもない、バッグにもない、部屋にもない、洗濯機にもない、進退窮まって宿のフロントに行ったらあった! なんでも駐車場で落ちていたのを拾って届けてくれた人がいたそうだ。あー良かった~。

駐車場と言えば自転車を置いている場所そのもので、ロックを開けて持って行ってくださいと言っているようなものだ。不注意にもほどがあるが、届けてくれた人には感謝しかない。老眼鏡事件、スマホ水没事件に続いて道中最大級のピンチだった。このピンチ全て不注意というところが情けない。ともあれ7月25日終了。

おまけ。アンパンマンチンチン電車を撮りたかったわけではなく、はりまや橋を撮ったつもり。でもどこにはりまや橋があるのかわからない。さすが日本三大xxx(自主規制)。