Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月29日=41-42-43番-番外霊場十夜ヶ橋=

本日の移動距離71.4㎞。本日の費用、札所1,240円、ホテル5,280円、交通費1,670円、食費3,306円、その他200円、合計11,696円。

本日は、宇和島から伊予宮野下までサイクルトレインに乗り、さらに卯之町から大洲までは輪行するというミックスデイとした。連日の猛暑で疲労もたまっているのでこういう日も必要だ。
宇和島駅。6時発窪川行の列車に乗る。自転車はこのまま改札を抜ける。七夕飾りが綺麗。

なんと乗るのは「ひかり号」だった! そういえばこのひかり号、高知から窪川輪行した時も窪川駅にいたぞ。

6:20、伊予宮野下駅で下車。宇和島から伊予宮野下までは約10㎞、自転車だと30~40分はかかっただろう、この辺りは標高150mくらいあるので、この区間を一気にワープできたのは体力的に大きい。しかも自転車を分解したり組み立てたりの手間なしに。

6:27、41番龍光寺を打つ。こちらは境内が稲荷神社と一緒になっていて山門に鳥居がある。鳥居の向こうには階段が上に向かって伸びている。

本堂、宝形造りのコンパクトなお堂。ご本尊は十一面観音菩薩。後方に見える赤い屋根は稲荷神社だと思われる。

大師堂。こちらも宝形造りのコンパクトなお堂。

龍光寺の記念印、壽無涯。果てしない幸せ。真の幸福を得る為には、生涯をかけた努力が必要。出典:四国霊場会。

さて、41番と42番の間には短い遍路道がある。遍路道は歩き遍路用であり自転車は通れない。普通は通れないのだが、短い遍路道なら自転車を押して通りたいとかねがね考えていた。そしてここの遍路道が最適と見ていたのだ。遍路道はちょっとわかりづらく、札所に隣接する墓地を抜けていくのだ。

墓地の奥から遍路道が始まる。

遍路道から札所を振り返る。本堂は正面を、大師堂は本堂の方向を向いている。その1段上に稲荷神社が見える。

遍路道に入った直後はこんな感じ。暗かったのでピンボケ。

まもなく出口、車道が見える。自転車は押して歩いている。

車道に復帰し、7:40、42番佛木寺を打つ。山門。大きく立派な門。

鐘楼。珍しい茅葺き屋根。八十八カ所ではここだけではないかと思う。

向かって右の宝形造りが本堂。ご本尊は大日如来。屋根の一部が向拝としてせり出していて、それに合わせた屋根瓦の2本のラインがかっこいい。左は大師堂。本堂より小さいがこちらは入母屋造り。他と逆パターンなのが面白い。よく見ると唐破風の棟が手前に傾斜している。中央手前に見えるのは救世観音。画面外れて右側に聖徳太子堂があるからだろうか。

手水舎。もみじの葉が凄く美しい。これはどうやって手入れしているのか、とても不思議。

佛木寺の記念印、五大に皆響き有り。四国の豊かな自然の中で身体・言葉・心を正しく保ちながら仏様の声に耳を傾けよう。出典:四国霊場会。そういえば昔フィフスエレメントっていう映画があったなあ。

次の43番に行くには、標高約400mの歯長峠を越えなければならない。歯長峠は勾配5%前後の上りが約4㎞続く峠だが、もはやこの程度の峠は全く怖くない。速度はともかくね。ここで女性の歩き遍路を追い越した。彼女とはお互いの健闘を祈りつつ、追い越しざまにあめ玉をお接待した。何度も繰り返すが、歩き遍路には尊敬しかない。下は歯長峠。

9:30、43番明石寺を打つ。
山門、手前にかぶさるのはもみじ。紅葉の季節はさぞかし美しいのだろう。

本堂。入母屋造り平入の唐破風を構える。写真で確認できないが、この唐破風は入母屋屋根とは繋がっておらず、壁から生えている。まるで壁の中に埋まっていた唐破風をタンスの引き出しよろしく手前に引っ張り出した、みたいになっている。唐破風の軒下の彫刻が超豪華。ご本尊は千手観音菩薩

大師堂。宝形造りの典型的なお堂。

明石寺の記念印、済世利。人々の生命や生活を救い人々の役に立つ。出典:四国霊場会。

ところで明石寺の参道は短いが激坂で、勾配15%で一直線に上る。見た目からしてダメージが大きい。

43番を打ち終えてまもなく、10:16卯之町駅に到着。ここから大洲まで輪行する。大洲までは走ると約20㎞だが、途中の鳥坂トンネルは歩道もなく少々危険だという情報もあり、かつ連日の猛暑で体力も相当削がれているので、札所のない区間は列車を使う判断とした。

快適な電車旅を終え、12:00、大洲駅にて自転車を組み立てる。先ずは大洲城を目指す。

12:10、大洲城肱川の向こう岸から見る。大洲城は木造の復元城なんだそうだ。

今来た道を引き返し、12:55、番外霊場十夜ヶ橋を打つ。ここは橋桁の下。昔々弘法大師もこの橋の下で野宿し、あまりの寒さに一晩が10日分に感じたことから十夜ヶ橋という名前になったのだとか。お遍路が橋の上で金剛杖をついてはいけないという不文律も、橋の下で寝ている大師を起こしてはいけないからという理由なんだそうだ。

大師堂。宝形造りのシンプルなお堂。しかしこのように日差しを遮るものがないと、読経は相当厳しい。汗だくになって読経する。

途中昼食をはさんで、14:20内子着。ここは内子座。芝居小屋だそうだが、ボクは芝居より建物のほうが興味があったりして。

ところで、内子に入る手前でまた道に迷った。余計な坂を上ったり行かなくていいところに行ったり、30分以上ロスしたと思う。全く炎天下で疲れているのに自分で自分の脚を引っ張っている。

今夜の宿ホテルAZには14:30着。チェックインは15時だというので、それまでロビーで待たせてもらった。何しろ空調のきいているところならどこでもいい。チェックイン後内子を観光したい気持ちもあったが、猛暑を回避したいという気が勝った。なんとホテルから徒歩5分程度の場所にあのスーパーフジがあった。正義の味方スーパーフジ。今夜の晩飯もお世話になります。

なお本日の移動距離は71.4㎞だが、これには列車移動も含んでいるので、実質30㎞前後だと思う。ここ数日15時頃に終了するパターンが出来ているが、午後の日差しは強烈なので、早朝スタートし午後は早めに上がるというこのパターンは良いと思う。

7月29日終了。