Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月24日=33-34-35-36番=

本日の走行距離78.1㎞。本日の費用、札所1,350円、ホテル5,340円、食費2,102円、その他200円、合計8,992円。

7時発。サウスブリーズホテルさんの朝食バイキングを堪能していたら、出発が7時になった。ここの朝食バイキングは豪華で種類も豊富で大満足。ここには今夜も連泊するので、荷物はホテルに置き今日は身軽に走れる。
ホテルを出て南下し、7:40、33番雪蹊寺を打つ。

中央奥、本堂。入母屋造りの大きなお堂。ご本尊は薬師如来。向かって右大師堂。同じく入母屋造りもこちらはコンパクトな造り。左手前の四阿風の建物はお接待堂なんだとか。ここに腰掛けたかったが、テキヤさんが品物を広げていたので遠慮した。

雪蹊寺の記念印、禪。

今回は桂浜はスキップして雪蹊寺から西に進む。

8:40、34番種間寺を打つ。おなじみの麦茶2Lボトルを積んでいる。

本堂。入母屋造り銅板葺き、ご本尊は薬師如来。大師堂は撮り忘れてしまった。

こちらは子育て観音。底の抜けた柄杓を奉納するようだ。抜けが良くなるのだとか。観音様は赤ん坊を抱いておられる。ここで歩き遍路の若い人とダブる。ここでは話はしなかったが、この後ちょくちょく会うことになる。

種間寺の記念印、以信貫道。何事も志ざしを決めたならば最後迄でやり遂げる。出典:四国霊場会。ちゃんと結願しろよってことだな。

種間寺を出たところで雨が降り始める。一度は強行しかけたが、少し強めの雨なので一旦種間寺に戻って雨宿りする。しかししばらく待ったが雨も上がりそうにないので、ポンチョを着て再スタートする。次は35番を飛ばして36番青龍寺を目指す。仁淀川を渡り黒潮ラインを南西方向に進むと、大きな赤い橋、宇佐大橋が見えてくる。宇佐大橋を渡り、さらに海岸沿いに進む途中色見崎のあたりでお遍路集団を追い越した。20人くらいの歩き遍路だ。先達が何やら講釈していた。歩き遍路は尊敬しかないが、集団となると警戒の対象となる。なぜなら参拝中にダブると読経の波に呑まれてしまうし、納経でダブると順番待ちで大きくタイムロスするからだ。しかしまだ手前なのでダブらずに済むだろう、と思ったのだが甘かった。後ほど詳しく述べる。

青龍寺まではフラットな道路で、かつ雨も上がったのでポンチョを脱いで参拝する。10:20、36番青龍寺を打つ。青龍寺は苔むした不揃いな階段の先に本堂がある。いかにも秘境然とした良い雰囲気の階段をのぼる。170段だそうだ。この階段は元横綱朝青龍関が若いころトレーニングしたことでも有名なんだとか。

本堂。寄棟造りか宝形造りか微妙な屋根に銅板葺き(たぶん)、唐破風が大きく張りだしている。ご本尊は不動明王不動明王真言がやたら長いのだが、決して嫌いではない、というかすごく好き。手前の不動明王立像も苔むした感じがいい味出している。ただ羂索を右手に引っ掛けているのはいただけない。正しく左手に持たせてほしいところだ。

大師堂。本堂の隣に軒がくっつくくらいの間隔で建っている。こちらは宝形造り。比較的新しいお堂のようだがピンボケ。

先ほどの階段を降りたところに朱塗りの三重塔がある。

青龍寺の記念印、無。むむむっ?(←どーもすみません…)

三重塔の少し下に納経所があり、ここに入るところで驚きの事実があった。先ほど追い越した歩き遍路集団の先乗り隊員が、20冊くらいの納経帳をリュックから取り出し並べているところだった。こっちはそれに驚きつつも滑り込みセーフで納経帳を差し出し、先に納経してもらった。いや~話には聞いていたがひどく興ざめする光景だった。納経帳って命の次に大事なものなんじゃないの? それを人に預けてなくされたり他人のものとすり替えられたり心配ないの? そもそも納経って参拝した後写経を納めた証にもらうものなんじゃないの? もやもやするし疑問は尽きない。そんな気持ちのまま札所を出て間もなく、先ほど追い越した本隊とすれ違った。彼らは陽気な集団で元気に挨拶してきたり全く問題意識はないようだ。繰り返すが歩き遍路は大変尊敬している。なぜなら自分には絶対無理だから。しかし団体ツアーは警戒せざるを得ない。

さて、ボクは宇佐大橋まで戻り黒潮ラインを左折し塚地坂トンネルを越え北上する。目指すは35番清瀧寺。35番は思ったより近かったが、直前で道に迷い全然違う山道をうろうろと彷徨ってしまった。30分以上ロスしたと思う。なんとか正しい道に復帰したら次の苦難が。目指す方向の山の中腹に寺らしきものが見えるが、もしかしてアレ(赤丸)に上るの? どうやらその通りのようだ。上り始める直前、種間寺でダブった若い歩き遍路と再びすれ違うが、ここは挨拶のみ。さらに進むと激坂が現れた。距離は1㎞程度だが始めから勾配10%前後の坂が続き、後半はさらにきつくなり最終盤には15%を軽く超える激坂が待っていた。こんな坂車だって上れないんじゃないかというほどの坂道を息を切らしながらなんとか上りきった。12:20に上り始め、12:30、35番清瀧寺を打つ。

本堂。入母屋造り銅板葺き、千鳥破風に唐破風の2段構え、特に千鳥破風が大きく大迫力で一見神社の拝殿かと思うほど。ご本尊は薬師如来

大師堂は撮り忘れた。やはり激坂のダメージが残っていたようだ。薬師如来立像の足元では戒壇巡りができるらしいが、この日はコロナのため閉鎖されていた。

清瀧寺の記念印、同行二人。お大師様はいつも私たちに寄り添い導いてくれる。出典:四国霊場会。

境内から下界を臨む。先ほど見上げたのは左手前の集落のあたりか。

参道。車が上ってくるのが見える。車の角度も尋常ではない。

清瀧寺を打った後は、高知市街に向かって東へ進み、市内のサイクルベースあさひで空気入れを貸してもらい、100円ショップで線香を調達し、15時過ぎホテル着。早めに戻ってくると翌日の準備など余裕をもってできるので嬉しい。かつこのホテルは展望大浴場があるので、ゆっくり汗を流せる。

買い出しも終えて部屋でリラックスしていると、突然滝のような雨が降り出した。戻ってきた直後だったので危ないところだったが、幸運にも一滴も濡れずに済んだ。これも日頃の行いか。今日は落とし物(仏罰)もなかったし。

7月24日終了。