Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月22日(後編)=25-26-27番=

2023年7月22日(前編)=25-26-27番=から続く。

27番神峰寺の参道を登坂中。この辺は序の口、スイッチバックかと見まがうほどの急角度のヘヤピンカーブが続く。

歩き遍路は連続するヘヤピンカーブの変曲点と次の次の変曲点をつなぐ、つまり一直線に上る遍路道があるようで、曰く真っ縦というらしい。真っ縦もきつそうだが連続するヘヤピンカーブも相当きつい。

中腹の四阿で一休み。

四阿の脇。手前の小屋と比較するといかに急勾配かわかる。

上るにつれさらに勾配が急になる。勾配の軌跡は、まるでエクスポネンシャルカーブのようだ。

ここなんか急過ぎて階段になってるし。これ反則でしょう、勾配が。遍路転がしを上るときは写真が多くなる。写真撮影を口実に一服しているからだね(笑)。まあなんとか最後まで漕ぎ切った。

14:10、27番神峰寺を打つ。頂上に駐車場があるが、ボクはもうちょっと上って山門の脇のガードレールに自転車を停める。山門をバックに写真を撮ろうとするも、傾斜がきつすぎて自転車が転がり落ちてしまう。なので蝋燭入れとして持参したTDLのお菓子ケース(画像の赤丸)を車止めにして写真を撮るが、このろうそく入れをそのまま置き忘れてしまった。帰りに寄ったときにはもうなかった。残念。またやってしまった。

蝋燭入れを忘れたことに気付かず、疲労回復もままならない状態で山門をくぐる。下の画像は山門の先にある門柱。シンプルでいいね。

神の峰の水と言われる湧き水の手水舎で手を清める。ここで大事件を起こしてしまった。口を漱ごうと身をよじったところ、肩にかけていたフロントバッグが体の前に滑ってきて、それと同時にコロン、ポチャっという音がした。んっ、何か落としたかと手水舎の下にある小さな池を覗いたら、ボクのスマホが沈んでいた。わーっと叫びつつ慌てて池に手を突っ込み、スマホを取り出し(取り出せる程度の水深で助かった)、急いで電源を落とし、それこそ神に祈る気持ちで日干しした。約20分後電源を再投入すると、なんと普通に立ち上がってくれた。冷静に考えると、電源を落としたり日干ししたりがどの程度効果があったのかは不明だが、何しろ復活してくれたので心底ほっとした。スマホの存在は生命線だったので一時はお遍路もここまでかと断念しかけたが、普通に動いてくれているのでホントに助かった。さすが日本製だとヘンなところで感心する。

スマホが立ち上がったところで気を取り直して神峯寺の階段を上る。下の画像、お地蔵さんの左が事件現場となった神の峰の水。

神峯寺は大変美しく整備された庭園があり、心身ともに疲弊していなければ存分にその美しさを堪能したであろう。いずれまた花咲く季節や紅葉の季節に訪れてみたいと感じた。

階段の上から。本坊の先に太平洋が見える。

階段を上りきったところにおられるみちびき弘法大師。奥は経堂。

本堂。入母屋造り平入りに千鳥破風と唐破風を2段に構えた重厚なつくり。特に唐破風が大きく張り出している。しかし千鳥破風が大きすぎて、平入なのか妻入りなのかよくわからないほど。ご本尊は十一面観音菩薩

大師堂。宝形造りだが大きい。見た感じ本堂と同じくらいに思えた。

神峰寺の記念印、関所。そうそう神峰寺は土佐の関所寺なのだ。

炎天下だったので登坂中にペットボトルの麦茶2本をカラにしている。ということで帰り際カラになったペットボトル2本と給水ボトルに神の峰の水を給水し、駐車場の脇にあるお土産屋でうどんをいただく。冷たいうどんはカラフルな野菜がたくさん乗っていて、とてもおいしかった。

うどんで腹を満たしたところで坂を下り始める。例によってブレーキいっぱい握りしめて慎重に下る。神峯寺の下りは、太龍寺の下り並みに慎重に進まざるを得ない。路面の悪さでは太龍寺、勾配のきつさでは神峯寺が勝る。四国に来て何度か、下り坂で前腕が痛くなることがあったが、それは長距離ということも原因だった。しかし神峯寺はわずか4㎞だが、握力が疲労し前腕に痛みがでた。ここは握力に自信のない人は上らないほうが良い。

今夜の宿とうの浜さんは坂を下りきったところにある。到着後Ride with GPSの記録をセーブしようとしたところで先ほどの事故を思い出す。そういえば途中で電源を落としていた。今日の記録はパーかと諦めかけたが、電源を落とす直前のデータまでは保存できた。従って今日の記録は神峯寺までとなってしまった。というわけで、前編の冒頭にある標高履歴は400mピークで終了している。なお、神峰寺は土佐の関所寺だそうだ。ひょっとしてスマホ水没事件は仏罰だったのかもしれない。ぞぞぞっ・・・

何はともあれ7月22日終了。