Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月21日=24番=

本日の走行距離103.1㎞。本日の費用、札所310円、ホテル6,600円、食費2,966円、その他200円、合計10,076円。

7:30出発。今日はほぼ移動なので朝ゆっくりで、さくら庵さんの朝食をいただく。チャーハンと卵焼だがこれがまた絶品。特に卵焼はほんのり甘くてふわふわで最高だ。いや~さくら庵に泊ってよかった~。繰り返すがこの道中さくら庵は1番の宿だった。名残を惜しみつつも日和佐を出発。

今日はR55をひたすら南下する。南阿波サンラインを経由するルートもあるが、景観が素晴らしいようだが起伏もきついようなので断念する。日和佐を出るとまもなくちょっとした上りが続くが特に問題ない程度。すぐにピークを迎え下りきると海に出る。今日も朝から暑い、日の当たるところは直射日光で肌がびりびりするほど。朝から耐えられない暑さで、道の駅宍喰温泉で休憩。休憩のつもりが空調のきいてる室内のベンチで居眠りしてしまった。この旅も5日目で疲れもピークなのかもしれない。


10:30高知入り。この辺からフラットな海岸線をひたすら南下する。

11:00遠く遠くにかすんで見えるのが、多分室戸岬だろう。

場所は失念したが、海岸沿いの四阿で休憩。今日は一服してばかりでなかなか進まない。

日陰は幾分マシだが、日向はたまらない、走っているときは空冷が効くが止まると途端に汗が噴き出す。水分補給が欠かせない。休憩ばかりしている割に、補給を忘れている。コンビニもスーパーもうっかり素通りし、昼飯も晩飯も何も調達しないまま店もレストランも何もない地域に突入してしまった。わかっていたのにやってしまった。やはり疲労で判断力が相当鈍っている。これは危ない兆候だ。不安が増す中ひたすら南下する。

12:20ライダーズパラダイスに到着。

バイク屋さんか?キャンプ場か?よくわからないがランチにカレーを提供してくれるようなので、駆け込んだ。ところがここ面白い。旧車が山のように揃っていて楽しくて仕方がない。学生時代に乗っていたハスラーや、ボクも名前がわからない旧4輪がたくさんある。特に3Fには稀少車が展示?してあり、このとおりZ1や750SSなど少年時代の憧れの名車も勢ぞろいしている。しかもTT100履いてる。カレーも美味しい。これは元気が出る。おなかも一杯になったところでご主人に礼を言ってスタート。ちょっと元気が出た。

遠くに夫婦岩が見えてきた。何でも全国で最大級にでかい夫婦岩だそうだが、災害で引き込み道路が崩落していて近寄れなかった。

13:20、やっと室戸岬が見えてきた。ところで岬の山に何か建物らしきものが見えるけど、まさかあそこに上るんじゃないよね。

13:50、室戸ジオパークの脇にある遍路小屋で休憩。今日は休憩ばかりでさっぱり進まない。この遍路小屋は2階建てで、2階に上がると展望は開けるし、風が抜けると少し涼しい。ちょっと元気が出てきた。

14:10、室戸青年大師像前を通過。大師像の向こうに見えるのはその姿からして釈迦涅槃像だと思われるが、配置が配置だけにそっぽ向いて不貞寝しているようにしか見えない。と、宗教心の乏しいボクは思うのだった。

今夜泊まる岬観光ホテルに荷物を預かってもらい、室戸岬を通過して、24番への登り口に差し掛かる。事前に情報は得ていたので特に驚きはないが、見上げるような高さだ。14:25ヒルクライム開始。

登り始め。水平線と比較すると斜度がわかりやすい。ここで勾配10%超。

高度が上がってくると景色もよくなる。

14:41、24番最御崎寺を打つ。距離が短いのでへとへとという程ではないが、汗だくになってしかし飲み物が底をつき厳しい状況だった。

そこに車でやってきたご夫婦から、冷え冷えの麦茶をお接待いただいた。ボクが登坂している脇を追い越してきたのだそうだ。愛知からやってきたというこのご夫婦は、暑いのにこの急坂を自転車で登るってすごいですね、と言ってくれた。麦茶は身体にうれしい、お言葉は心にうれしい。疲労困憊した心身が一気に回復した感じがした。この道中初めてのお接待。お接待って凄くうれしい。心に沁みる。一気に半分ほど飲んじゃった。

仁王門。やっとここまで来たか感を満喫できる。

本堂。寄棟造り本瓦葺き。ご本尊は虚空蔵菩薩

本堂の向拝虹梁の彫刻。仙人と龍が登場しているようだが、何のシーンかはわからない。

大師堂。こちらも寄棟造りだが、なんと妻入り。寄棟造りで妻入りってのは他で見た記憶がない。非常に珍しいのではないかと思う。

鐘楼。何でもNHKゆく年くる年でこの鐘をついているところを中継されたらしい。

最御崎寺の記念印、室戸岬悟り。空海が悟りを開いた地ということ。

せっかくなので灯台にも寄ってみた。恋人の聖地ということだが、なぜに恋人?唐変木のボクには理解不能。しかし海の色が濃くてとてもきれいだ。水深が深いのだろうか。

帰り道。展望は最高。ところでリアキャリアからアルミの柱が2本出ているが、これ実は自作の振れ止め。キャリアの上に重いバッグを縛り付けるので、この振れ止めがないとバッグが左右にぶれ落ちてしまう。このおかげでまあまあ安定して乗れた。

今夜の宿、岬観光ホテル。築85年、国の登録有形文化財だそうで、昔懐かし雰気が盛りだくさん。しかもホテルでは自転車を玄関に入れてくれた。嬉しくて涙が出る。

御厨人窟を内側から。確かに空と海しか見えない。

この後晩飯を求めてさまようことになる。25番津照寺の直前まで走ってやっとコンビニを見つけた。この時ほどコンビニをありがたいと思ったことはなかったよ。

ところで、当初宿は最御崎寺の宿坊にする予定だったが、満室ということで予約できなかった。結局この道中宿坊には一度も泊まれなかった。宿坊はハードルが高い。ちなみにボクは夕方に翌日の宿の予約を入れるようにしている。自転車旅は何が起こるかわからないので、あまり先の日程は宿を予約したくないのだ。

7月21日終了。

おまけ。室戸岬から見る夕日。