Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

準備編=お遍路道具一式前編=

お遍路を行うにあたり、必須なアイテムがいくつかあるので、紹介する。まず金剛杖。これはお大師様の分身と言われるアイテムで道中決して疎かにしてはいけないものである。例えば休憩するときは、自分が腰かける前に金剛杖を然るべき位置に立てかけるとか、宿に着いたらまず金剛杖を洗って床の間に置くとか。ただしボクは自転車なので金剛杖は辞退した。道中金剛杖のキーホルダーでも買うつもり。ついでに言うともしボクが歩き遍路するとしたら、金剛杖ではなくストックを持つと思う。4本足のほうが絶対に楽だ。

次に納経帳。これは八十八ヶ所の寺院(札所と言う)に参拝したあとで、その記念と言うか証拠と言うか、いやいや正しくは写経を納めた証として御朱印をいただくための帳面を言う。通常の寺社で言うところの御朱印帳とは寸法もページ数もまるで違うので注意が必要。納経帳は大きいものだとB5ノート大の寸法で、ページ数は88プラス高野山奥の院プラス空白数ページ分という構成が多いようだ。ボクはB5版より一回り小さいものを選んだ。前述のフロントバッグにすっぽり収まる寸法だ。

次は納経軸。これは納経帳と同じ御朱印を1枚の大きな紙に押してもらうもので、後日表装して掛け軸になるという仕組み。歩き遍路なら家宝になるかも。次に白衣。びゃくえと読むようだ。袖ありと袖なしがある。ボクは真夏の巡礼なので袖なしを選んだ。画像はお遍路後の白衣。予め決めていた札所の御朱印を押してもらっている。

さて白衣には着用白衣と御朱印用白衣の2種類がある。前者は文字通り、後者は納経帳と同じ御朱印を押してもらうもので、予め八十八ヶ所分の空欄が用意されている。いつか本人が亡くなったら死装束として着せるものらしい。なお御朱印料は、納経帳で300円(一部500円)、納経軸で500円、白衣で200円。全部やると八十八ヶ所で88,000円。なかなかの商売だな、と信仰心の薄いボクはつくづく思う。

次は菅笠。寸法は大中小、形は丸型と三角型がある。表面にはお大師様を表す梵字他5つの心得が書かれている。ボクは自転車のヘルメットに取り付けるよう少々手を加えた。かつ表面の梵字心得は自分で書いた。

ところでこの心得に「同行二人」がある。これはすなわちお遍路はお大師様がいつも一緒に同行されるのだよ、という意味だが、ボクの場合相棒となる自転車も加えて「同行三人」にしたい。とは言っても表面に「同行三人」と思いっきり書くのもはばかれる。一方ボクの名前には漢字の一(いち)の字が含まれるので、これを活用することにした。つまり菅傘の「同行二人」の裏面に横書きで自分の名前を書いたのだ。同行二人の「二」とボクの名前の「一」がクロスするような配置で。こうすることで透かして見ると「同行三人」に見えるというわけ。我ながらなかなかうまいアイデアだと思う。何しろこれでわが相棒を加えた「同行三人」が完成した。

遍路道具一式の後編へ続く。