Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

準備編=自転車=

ボクは冒頭49歳で自転車を始めたと書いたが、実は中学高校は自転車小僧だった。特に高校時代は片道10㎞を自転車通学していた。当時の愛車はニシキスピードランドナー。クロモリフレームで27インチタイヤだった。時は流れて50歳を目前にした2010年秋、体力維持を目的に自転車に復帰し、2012年には宮古市のフレームビルダーであるエンメアッカさんでフレームをオーダーメイドした。つまり世界でたった一つだけのフレームを製作していただいたのだ。ところで復帰した当初はまさしく浦島太郎状態だった。

フレームがカーボン?カーボンって何?CFRPのこと?え~っ樹脂じゃん! STIレバーって何?Wレバーもないけどどうやって変速するの?あっ、このレバー横に動いた!壊れてるんじゃねえか? スローピングフレーム?極太パイプ?なんじゃこりゃと思ったけどちょっとカッコいいな~。 SPDペダル?トウストラップじゃないの?スキーと一緒か? デュアルピポッドキャリパー?サイドプルブレーキとちゃうんか?でも凄い効くなあこれ。サイコン?なんだこのたまごっちみたいなやつは。これめちゃくちゃいいじゃん。・・・挙げたらきりがないくらい。30年以上の空白があったので当然と言えば当然だが、自転車の進化は心底驚愕した。

そんなボクが復帰にあたって選んだフレームはエンメアッカさんだった。

素材はクロモリで、しかし極太パイプで3度スローピングという個性的なフレームをオーダーメイドで作ってもらった。コンポはカンパとシマノごちゃ混ぜにして自分で組み上げた。なお、ボクは仕事柄機械に詳しいので自分で組み上げたが、これは決してお勧めしない。もっとはっきり言うとやらないほうが良い。整備不良が原因で事故ると取り返しがつかないので。

 

自転車復帰当初は5㎞も走れなかったが、この頃ブルべと言う存在を知ってしまった。その後徐々に走れる距離を伸ばしていって、2014年にはブルべで200㎞を完走した。11.5時間かかったけど。その後目標を失って一時停滞したが、お遍路を目標に据えてからトレーニングを重ね、なんとかなりそうなレベルまで上げることができた。さらにお遍路を前提に自転車を改造した。

まずブレーキはディスクブレーキに改造した。はっきり言ってドライな路面ではデュアルピポッドキャリパーと比較して有意な差はないと思うが、雨中走行を考慮するとディスクブレーキのほうが心強いと考えたのだ。でも輪行するので油圧ではなくワイヤー引き。油圧で輪行可の記事をよく見かけるが、正直言って信用できなかった。さらにフロントはスルーアクセルに変更した。ディスクブレーキの場合、制動時は片側のフォークに負荷が集中するので、スルーアクセルによる剛性アップは必須だと思う。次にリアは今時の主流ではないがシートステイにキャリパーを取り付けた。かつこのままではシートステイが座屈する恐れがあるのでチェーンステイとの間に補強のメンバーを充てた。これらは全てエンメアッカさんの提案によるものだが、すごくかっこよくて気に入っている。変速はフロントワンバイに改造した。上の写真は42Tだけど、お遍路実行時は36Tまで落とした。これでも四国の激坂には相当苦労したけど。最後に塗装は粉体塗装にしてもらった。これ塗膜が厚く丈夫で深みのある光沢が得られるのが特徴。かつ最近何かとうるさくなったVOCが出ないので環境にも優しい。実際お遍路中は支柱やガードレールに何度かぶつけてしまったが全く傷がつかなかった。さて、あとはどうやって荷物を積むかという課題をクリアすれば準備万端。