Ino_noosの自転車遍路の記録

還暦のオヤジが自転車で四国をお遍路しました。その記録を記します。

本編2023年7月30日=45-44-46-47番=

本日の走行距離92.7㎞。本日の費用、札所1,240円、ホテル6,050円、交通費0円、食費3,195円、その他200円、合計10,685円。

今日は45→44番の順で打つ。今日は山岳ステージで、かつ最初の目的地の45番岩屋寺まで約50㎞あるので、いつもの作戦とおり早朝にスタートする。ホテルAZの朝飯は泣く泣くあきらめた。4:30スタート。周囲はまだ暗いが、気温は25℃位で快適。ただ今日は雲が多いようだ。

5:10、R379を東に向かって走る。正面東の空が明るくなってきた。

6:40真弓峠。特にきつい勾配はなく淡々と上っていく感じ。この後真弓トンネルを通過したあたりから雨に降られ、途中の道の駅で雨宿りを余儀なくされる。しばらく待ったが雨は止まないのでポンチョを着て再スタートしたら、まもなく雨が止んだ。まあこんなもんだよ世の中は。

8:50、45番岩屋寺を打つ。岩屋寺は10番切幡寺、71番弥谷寺と並んで道中屈指の階段寺。また岩屋寺は写真の方向に進んじゃうと先には有料駐車場しかないので、ボクは自転車だけど手前のここに自転車を止めてここから歩いていくことにした。ちなみにバックパックは防水仕様だが念のためビニール袋をかぶせている。

門柱の上に小さな仁王像がいる珍しいパターン

階段上り始め。

山門。組物が凄い。紅葉の季節はきれいだろうなあ。

杉の巨木を縫うようにして階段はさらに続く。

本坊らしき建物が見えてきた。断崖絶壁に埋まるように建ってる。投入堂みたい。

本堂。入母屋造り平入銅板葺きの屋根に向拝として唐破風を構える造り。ご本尊は不動明王

大師堂。宝形造りの堂々たるお堂。屋根と向拝が連続している感じがいい。組物も凝っていて全部素晴らしい。向拝柱が4本ある。木鼻は獅子。

岩屋寺の記念印は、修証不二。意訳すると、継続は力なり、かな。

岩屋寺を出ても上りが続く。次の44番までは10㎞だがきついアップダウンが連続する。内子から50㎞上った後なので結構こたえる。

11:00、44番大寶寺を打つ。峠御堂トンネルを出て一旦下るもつかの間、札所へはまた上り、しかも砂利道まで出てきた。この荷物で砂利道は危険なので、さすがにここは押して歩く。下はピンボケ。

本堂。入母屋造り平入銅板葺き、千鳥破風と向拝に唐破風を張り出す堂々たるお堂。

大師堂。宝形造りの大きなお堂。正面の屋根が一面全て向拝屋根と連続していて、向拝の軒下が凄く広い造りになっている。

上から山門を見る。あとで気付いたのだが、ここは無理に自転車で上らず、この参道を歩いてくればよかったのかもしれない。

大寶寺の記念印、法縁。意訳すると、旅は道ずれ世は情け(ちょっと違うか)。

今日の最後の峠三坂峠は標高700mだが、現在ボクがいる久万高原も500m位はあると思うので、こっちからはそれほど困難な峠ではないとふんでいる。松山側から上ってくる場合は大変だろうけど。というわけで、ほどなく峠に到達。標高は720mだと書いてあった。

三坂峠より松山平野をのぞむ。

自転車は上を向いているが、Uターンして撮ったためで、実際は下り道。

三坂峠の下りは長距離で路面もよく快適そのものだが一つだけ注意が必要で、それはループ橋近辺で左折しなければならないところを見逃すと、次の46番まで10㎞程度遠回りしなければならないのだ。なのでここは速度を落として慎重に下る。そしてめでたく左折ポイントを発見し、これを無事通過。しかしその後はひどい荒れ道で、勾配の緩い太龍寺参道といった感じ。別な意味で慎重になりながらどうにか麓まで下りることに成功した。
13:30、46番浄瑠璃寺を打つ。

木々に囲まれた境内で、不思議と調和が取れていて美しい。

本堂。入母屋造り本瓦平入に唐破風が向拝として張り出す。ご本尊は薬師如来。奥行6間のうち手前2間は壁がなく解放された空間になっている。思わず奈良唐招提寺の金堂を思い浮かべる。あちらは寄棟造りで柱だけの吹き放ちは手前1間だけだが。そして向拝が生えている位置がだいぶ低く、柱の高さの中央付近からなのが面白い。

大師堂。宝形造り本瓦の小さめのお堂。

浄瑠璃寺の記念印は、一字含千理。真言は不思議なり、観誦すれば無明を除く、一字に千理を含み、即身に法如を證す。出典:四国霊場会。  

14:00、47番八坂寺を打つ。46番とは目と鼻の先。

小さな山門だが、天井にはとてもきれいな天井画があった。

本堂。入母屋造銅板葺き妻入りコンクリート製。ご本尊は阿弥陀如来

大師堂。切妻屋根平入に唐破風の向拝を付けた造り。非常に珍しい屋根と思うのだが。ボクは他に見た記憶がない。

八坂寺の記念印、三句五転。三句の法門とは一つには菩提心を因となし、二つには大悲を根となし、三つには方便を究竟となす。五転とは、発心、修行、菩提、涅槃、方便。出典:四国霊場会。

今夜の宿は浄瑠璃寺のはす向かいにある旅館長珍屋さん。読み方がイマイチわからなかったが、ちょうちんやで良いらしい。ここはお遍路さんを主な客にしているらしく、玄関脇に金剛杖を洗うためと思われる流し台が整備されていた。こりゃよいとばかりにその流し台を借りて自転車を洗車しようと蛇口を捻ったら、驚いたことに熱湯が出た。この流し台は南向きで午後ずっと日が当たる場所にあるため水道管が熱せられたのだと思うが、それにしても日差しの強さを思い知らされる瞬間だった。

7月30日終了。